「また働きたい。叶うことなら、定年まで働きたい。」
 夫から臓器提供が受けられることが決まった時に、一番に願ったことです。
 透析を受けながら働いている人はたくさんいらっしゃいます。ただ、この1年間、ほぼ病院で過ごしていた私にとって、まだ30代の私にとって、生きること、働くことは高いハードルでした。でも、私が働きたいということを夫が後押ししてくれたのです。
 夫の体を傷つけてまで生きる意味があるのか。
 移植手術を受ける日まで、考えては、考えては、涙が止まりませんでした。
 私が元気でいることそのものが、生きる意味があると、夫が教えてくれました。
 手術して3ヶ月経ちました。体調はとてもよく、来月から無事に職場に復帰できそうです。
 37歳。定年まで約30年、いや、それ以上になるかもしれませんね。夫と二人で、これからも、健康に。夫と共に無事に定年を迎えられますように。本当に、本当に、、、ありがとう。

 一般の部・大賞 山田紗智子さん 愛知県名古屋市

「東海ろうきん」が出した広告の中に載っていたホッとするメッセージ「第15回はたらく人にありがとう」(2024年12月21日付)